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木は呼吸するといわれます。これは湿度の高いときに湿気を吸収し、低いときには放出する性質を指しています。 10.5p角の柱一本でビール大瓶0.5〜1本分の水分が出たり入ったりしていて、実物大実験でも、部屋の周囲に湿った空気を巡らして内部の湿度を測ってみると、木材を内装に使った場合は使わない場合より湿度が低く抑えられます。 しかし木の調湿機能の原理は除湿器や加湿器のそれとは異なります。 除湿器は空気中の湿気を冷却して水にして排水するのでモーターが回っている限り除湿しますが、木は内部に水分を蓄えるので湿度に応じた含水率(気乾含水率)に達すると吸湿は止まります。 つまり数時間から一日単位の湿度の変化には対応しても梅雨時のように長期間にわたる高湿度や冬の乾燥時の低湿度を調整するわけではありません。 木の内装は湿度の上下の起伏をなだらかにすることで、人の身体が湿度の変化に適応する過程をよりスムーズにしてくれるとお考えください。 |